投資の経験がない方でも、NISAについて耳にしたことはあるのではないでしょうか。
NISAは初心者が投資信託をするのに向いていると言われますが、元本割れのリスクもある以上、制度の内容や詳しい内容が分からなければ利用に踏み切ることは難しいでしょう。
そこでこちらでは、NISAの概要や気になるポイント、利用方法などについて見ていきます。
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NISAとは?
NISAとはイギリスのISAをもとにした制度です。
NISA口座内で、毎年一定範囲内の金額で購入した金融商品については、一定期間内に得られる利益が非課税になりますので、一般口座の投資信託よりもメリットが大きいです。
大きく分けて一般NISAとつみたてNISAがあり、前者は株式や投資信託等を年120万円まで購入できますが、非課税で保有できる期間は最大5年間となっています。
一方、つみたてNISAは年間に購入できる金額は40万円までと少額ですが、保有できる期間は最大20年間です。
なお、一般NISAとつみたてNISAはどちらか一方しか利用できませんが、2024年にスタートする新NISAでは一般NISAの内容が変更になります。
新NISAでは1階部分としてつみたてNISAと同様に一定の投資信託に対し、毎年20万円を上限に購入でき、2階部分として株式や投資信託を毎年102万円まで購入できるようになります。
非課税期間は最大5年ですが、1階部分はつみたてNISAの非課税投資枠に移管(ロールオーバー)して、さらに20年間非課税で運用することも可能です。
一般NISAや新NISAの2階部分は購入可能な金額が大きく、投資信託だけでなく株式等の商品も選べるため、より自由度が高い運用になります。
一方で非課税期間が5年間しかなく、商品によっては損失が大きくなる可能性もあります。
また、新NISAの場合は1階部分の利用がなければ2階部分が利用できません。
一方、つみたてNISAや新NISAの1階部分は、国が比較的リスクが低いと判断している投資信託の中から選ぶことになりますので、初心者でも利用しやすいです。
購入可能な金額は大きくありませんが、長期の運用ができますので、リスクを抑えることができます。
NISAでどのようなことができるのか
初心者でもリスクが少ない商品を探すことができて、運用益も非課税になるNISAは非常に便利な制度です。
とはいえ、初めてNISAに挑戦する人にとっては、少額でも利用できるのか、一般口座の投資信託でもNISAが使えるのかなど疑問に思う点も少なくありません。
以下に、NISAを始めるにあたって気になるポイントについて見ていきましょう。
まず、NISAは購入可能な上限額が決まっていますが、少額で利用できないわけではありません。
証券会社によって最低購入金額は異なりますが、1日100円、あるいは月1000円の積立設定も可能です。
また、積立設定をしているにもかかわらず口座の残高が不足している場合、購入ができないだけで特にペナルティは発生しません。
NISAは年単位で購入金額の上限が決まっていますので、入金を忘れた時には次回から積立の金額を増やしたり、スポット購入をしたりすることも可能です。
次に、一般口座ですでに投資信託をしている場合、NISAに切り替えることはできるのでしょうか。
これは残念ながら、NISAの制度上できません。
一般口座とNISA口座の両方で取り扱いがある商品でも移管は不可能です。
非課税対象になるのはNISA口座内で新規購入した商品のみですので、今まで一般口座で運用してきた投資信託については、一般口座のままで運用を続けるか一旦売却して、新たに開設したNISA口座内で購入することになります。
NISA口座での商品の購入や運用自体は一般口座の投資信託とそれほど大きな違いがありませんので、すでに投資信託の経験がある人は問題なく手続きができるでしょう。
NISAはスマホでも利用できる?
NISAは比較的新しい制度ということもあり、若い世代から特に注目されています。
中でも、長期運用で複利効果が期待できるつみたてNISAの口座に関しては、20~30代の利用が全体の7割弱となっています。
そこで問題になってくるのが、スマホやアプリでNISAの注文ができるのかという点です。
PCだけでなく、普段持ち歩いているスマホから注文や確認ができれば、NISAがより身近になるでしょう。
スマホやアプリからの利用については、証券会社によって違いが見られます。
主要なオンライン証券会社の多くがスマホ用の専用サイトやアプリを用意していますが、使いやすさや機能は様々です。
NISAは制度の変更が頻繁に行われていることもあり、一般口座の投資信託と比べると、アプリの機能は限られています。
とはいえ、大半のネット証券でスマホからNISAの積立設定や売買、運用状況の確認などができるようになっていますので、それほど不自由さは感じないでしょう。
ただし、基本的にはやはりPCからの注文や確認の方が便利です。
機能制限なしに発注ができますし、資産推移やポートフォリオなどの確認もしやすくなっています。
初心者の場合、ポートフォリオや商品の購入で迷うこともありますが、PCならば希望を伝えてAIに購入を任せられますし、部分的にカスタマイズしてより自分に合った組み合わせにすることも可能です。
NISAを始めるなら、PCの利用を前提に、スマホサイトやアプリは外出先などの補助として利用したほうが良いでしょう。
NISAを始めるには
NISAを始めるには、どうすれば良いのでしょうか。
投資信託未経験者でも、一般口座で投資信託を利用している初心者でも、まずすべきはNISA口座の開設です。
NISAに対応している金融機関は証券会社や銀行ですが、いずれか一か所でしか口座開設ができません。
そのため、取り扱っている商品の品ぞろえや少額投資・クレジットカードでの積立の可否などをよく見て、使いやすいところを選ぶ必要があります。
初心者はオンライン証券を利用すれば、ネットで口座開設や取引ができ、銘柄も豊富なので安心です。
窓口で手続きをする場合は所定の用紙に記入や押印が必要ですが、ネット上で口座開設の申し込みをする場合、申し込みフォームに必要事項を入力するだけです。
いずれの場合も運転免許証などの本人確認書類とマイナンバー確認書類が必要ですが、どのような書類が有効かは金融機関によって異なります。
申し込み後は金融機関で審査が行われ、問題がなければ、まず金融機関の口座開設通知が届きます。
その後、自動的に税務署でも審査が行われたのち、承認されればNISA口座の開設は完了です。
口座が開設できたら、口座に資金を入金して商品の選定を行います。
購入したい商品が見つかったら、スポット購入の注文や積立設定を行います。
購入を希望する投資信託についての目論見書や補完書面が表示されますので、内容を確認して納得できれば注文しましょう。
以降、積立設定の場合は指定されたタイミングで毎回自動的に購入手続きが行われます。
スポット購入の場合には、自分でその都度注文をする必要があります。
初心者でもNISAを始めるべき?
NISAをすすめるブログや報道は多数ありますが、本当に初心者でもNISAを始めるべきなのか不安を感じる人も少なくありません。
確かに、投資信託は預金のように元本保証はされませんが、長期・分散・積立を意識して運用することでリスクを抑えることが可能です。
長期間にわたって金融商品を保有し続け、運用益で新たに商品を買い足すことにより、複利効果で安定した収益が期待できるでしょう。
長期間で保有すれば利益を受け取る回数も増えるため、結果的に元本割れの可能性が低くなります。
実際、一般的な国際分散投資を20年継続したとき、元本割れをしたことはないというデータもあります。
また、投資先を国内外それぞれに分散させたり、株式や債券、不動産など種類の異なる銘柄を組み合わせたりすることにより、リスクを分散させる方法も有効です。
さらに、積立で投資する時期を分散させれば、標準価額が下がっているときは銘柄を多く購入でき、標準価額が上がったときに十分な利益を出せるようになり、よりリスクが軽減します。
加えて、つみたてNISAではリスクを抑えた商品が多く取り扱われていますし、一般NISAはある程度リスクを許容して大きなリターンを期待する株式の商品も扱っているなど、初心者にもわかりやすいラインナップです。
売れ筋のランキングやAI診断による商品の選定など、初心者でも商品を選びやすいサービスが充実していますし、少額から始めることも可能ですので、練習のつもりで利用するのも良いでしょう。
NISAを上手に利用すれば、複利効果や非課税の恩恵も相まって、元本割れどころか利益アップも十分期待できます。
【まとめ】メリットが多いNISAは初心者にもおすすめ
このように、NISAは一般口座の投資信託とは様々な違いがあります。
しかし、運用益が非課税になること、初心者でも失敗が少ない商品がそろっていること、少額からでも始められることを考えると、利用する価値は十分にあると言えるでしょう。
オンライン証券ならば取り扱っている商品も豊富ですし、口座開設や購入などの手続きが簡単なので、おすすめです。