ロシア資産への危険な賭け-停戦や制裁解除への期待、裏切られる恐れ
記事を要約すると以下のとおり。
ロンドンのある証券会社のトレーダーはここ数週間、過去3年間ほとんど取引のなかった資産を金融市場で探し回った。2人のトレーダーが自身や所属企業の名前を明かさないことを条件に取材に応じて語った。 2022年のウクライナ侵攻開始後にロシアに科された制裁が解除されれば、額面を大幅に下回っている有価証券の割安さはすぐになくなるだろうと述べた。ロシア中央銀行のデータによると、ルーブルはドルに対して年初来13%上昇している。「投資家は総じて、ロシア市場にどれだけ早く参入できるかを尋ねてくる」という。 しかし、ロシアへの投資には複数のリスクが伴う。トランプ氏が現時点で戦闘を停止させることに成功したとしても、戦争が再燃するリスクが常に存在する。 ソ連崩壊後の30年にわたって深まっていた欧米の関与を、3年間の戦争が断ち切った。政府は戦争開始後に国外に脱出した欧米の多国籍企業に対して厳しい条件を課し、資産価値の大幅な切り下げを迫ったり、売却を許可する前に現地子会社を接収したりした。 政府に近い関係者とプーチン氏とつながりのある富豪によると、ロシアへの復帰を目指す企業に対しても条件が課される可能性がある。 「現地化に関する条件は厳しく、生産を近代化するための技術移転が重要になるだろうと付け加えた。」米財務省の推計によると、富裕層に対する制裁により、住宅やヨット、自家用機など、さらに580億ドル相当の資産が差し押さえられた。 原油輸出に対する制裁体制がすでにほころびを見せ始めている兆候として、3月9日までの4週間でロシア全土の港から搬出された原油は1日当たり約30万バレル増加。 一方、英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)国際安全保障研究部門の上級研究員エミリー・フェリス氏は、ロシアの戦争経済を「欧米の投資家が優先的に投資したいもの」に変えるのは容易ではないだろうと言う。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース ロシア資産への危険な賭け-停戦や制裁解除への期待、裏切られる恐れ