「消えたコメ」の謎は解けず、価格高騰が消費者や政策翻弄-備蓄米放出
記事を要約すると以下のとおり。
食卓の主役であるコメの値上がりが止まらない。秋の収穫量は前年を上回ったため、コメ不足はすぐに緩和されるとみられていたが、今年に入って価格はさらに高騰。不作や災害などの緊急時以外の流通円滑化目的での放出は初めて。農林水産省は、この「消えたコメ」の所在を明確には説明できていない。 価格高騰は、2月24日の週に5キログラム当たり平均3952円と、前年比で95%上昇した。価格高騰を受け、コンビニエンスストア大手、セブン-イレブン・ジャパンも1月におにぎりや弁当など一部米飯商品を値上げした。 「家庭ではコメの購入頻度は高いため、日銀はコメ価格の上昇を無視できないと、SOMPOインスティチュート・プラスの小池理人上級研究員は分析する。」 「誰かが悪意を持って暗躍しているわけではないと滋賀県のコメ農家、家倉敬和氏は言う。」 物価高騰に対する消費者の不満の高まりは、自由民主党が過半数を割り込んだ24年10月の衆議院選挙にも影響を及ぼした可能性がある。東京都内のあるスーパーでは、コメの棚は依然として半分も埋まっておらず、「1家族1袋までと書かれたはり紙が貼り付けられていた。」コメが店頭に並んだら購入を検討するという。その他にも数百社の仲介業者が存在するが、多くは長年にわたって同じ取引関係を持つ小規模な業者は、通常JAよりも300-500円高い価格で、玄米60キロを買い取っていた。しかし上乗せ額は今、3000-4000円にまで上昇しているという。「その方が良い競争が生まれる」との見方を示す。 岡山県でコメ農家を営む高田正人氏は、「消えたとされるコメの不足分を補うため、計21万トンの備蓄米を放出する計画だ。」完全価格指定で小売りや外食に売るべきだったとし、集荷業者を対象とした入札の実施について、政府の方針が反映されやすいところに放出するのだろうと分析する。コメの収穫量自体も減少傾向にあるSource:農林水産省 酒造大手、白鶴酒造の水谷仁生産本部長は、コメ農家の経営は過酷だと指摘。「日本の農業は高齢化が進み、農業離れが進んでいる」とし、「農業をやめる人が今後さらに増えていくと供給が追い付かなくなり、長期的に値上げ傾向は続くだろうと述べた。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 「消えたコメ」の謎は解けず、価格高騰が消費者や政策翻弄-備蓄米放出