「100%」利回りがブーム後押し-新型高配当ETFに個人投資家殺到
記事を要約すると以下のとおり。
TikTok(ティックトック)やユーチューブ、レディットなどのプラットフォーム上で、金融インフルエンサーたちが株式市場の新たな投機手法を盛んに持ち上げ、100%を超える配当も可能だとはやし立てている。 トレーダーらは今年、この種のETF戦略に500億ドル(約7兆4000億円)以上を投資しており、その額は増え続けている。 「ラダー型バッファーや「カバードコール」といったウォール街の難解な名称を持つこれら商品の多くは、相場下落から投資家を守り、同時に利益をもたらすことを約束している。しかし、市場の専門家や規制当局は、購入者が購入するものを本当に理解しているのかと疑問を投げかける。それを考えると、私は夜眠れなくなると、デリバティブを駆使したファンド拡大のきっかけとなった360億ドル規模の人気ファンド、JPモルガン・エクイティー・プレミアム・インカムETF(JEPI)を運用するハミルトン・ライナー氏は語る。「「レバレッジを使わせてくれれば、あれもこれももっとできると言う運用者は常にいる。」かつてないほどに米国市場を席巻した「ミーム株」の熱狂から3年が経ち、個人投資家たちは全力で投資に走り出している。 これを受けてETF会社の間でゴールドラッシュが起こり、JEPIに類似する指数を使ったファンドや個別銘柄のリターンをオプションで膨らませる商品など、さまざまなリターンとレバレッジを目的とした商品が申請されたこともあり、資産は過去5年で6倍の3000億ドルに増えた。 ブームをあおっているのは、オプションを売って現金収入を得、それを配当金として株主に還元するファンドだ。それがモットーだと、38歳のトッド・アキン氏Photographer:ArturoOlmos/Bloomberg しかし、配当金が高くても、ETFのパフォーマンスが市場や関連銘柄に後れを取ることはよくある。例えば、イールドマックス・コイン・オプション・インカム・ストラテジーETF(CONY)は、過去1年間に現在の価値の100%以上を現金として保有者に還元したが、ETFの価格が急落したため、今年これまでのトータルリターンベースではマイナスとなり、追跡対象であるコインベース・グローバル株にも後れを取っている。「こうした傾向が重なり合うことで、従来の開示の有効性や、投資家保護における開示の重要性について、差し迫った疑問が生じている」と述べた。こうした投資家にとっては、オプション市場での賭けから現金を手に入れられる限り、関連する株式のパフォーマンスは最大の考慮事項ではない。 デリバティブ・エンハンスト型ETFに限定せず、幅広い戦略を対象として行った調査で、半数以上の投稿が有償広告であることを開示しておらず、38%は証拠金取引、証券貸し付け、オプション取引に関連するリスクの詳細を開示していなかった。 しかし、デリバティブはわずかな時間で大きな損失を生むこともある。「商品の増殖問題は巨大で、ほとんどが投資家の不利益につながる。」ETFルールと呼ばれるこの改革により、新しいファンドの立ち上げに関する制約が緩和され、発行者はパッケージ化できる有価証券についてより大きな裁量権を持つようになった。自由化の精神は、今年多数のファンド立ち上げを支援したタイダル・ファイナンシャル・グループのような企業を活性化させた。スニーカーやポテトチップと同じだと語った。イールドマックスのファンドが提供する戦略のポートフォリオマネジャーであるジェイ・ペストリチェリ氏は「規制がこれを可能にした」と話した。コミュニティーに直接語りかけることが、メッセージを広め、教育に役立つ最も効果的な方法だと考えているという。 そのため、フロリダ州セントルーシー郡の法執行機関を3年前に退職したデビッド・ストリーター氏(57)は慎重な姿勢を示す。 しかし、こうした事実が熱狂を止めることはない。投資を選択する際にはトータルリターンを考慮すべきだとも指摘。 JPモルガンのライナー氏は、投資手段としてのETFを評価しつつも、「ETFなら何でも良いというわけではないと述べた。」
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 「100%」利回りがブーム後押し-新型高配当ETFに個人投資家殺到