当面は内外動向を慎重に見守る必要がある－高田日銀委員

日本銀行の高田創審議委員は5日、金融政策運営について、当面は金融市場の動向を注視した上で、前向きな企業行動が確認された場合は緩和の修正が引き続き必要になるとの見解を示した。
　米欧では利下げに向けた動きが生じているが、「これまでの利上げが急だっただけに、その影響が時間を経て生じる場合、わが国の経済・物価情勢をリスク要因として捉えた上で、「市場環境も含め極めて高い緊張感を持って注視する必要があるとした。」
7月の毎月勤労統計調査（速報）で賃金の伸びが予想を上回ったことを受けて一時143円19銭と1カ月ぶりの高値を付けた後、高田委員の発言を受けてやや売り戻されている。
市場変動を踏まえた政策スタンスを探るため、日銀からの情報発信に注目が集まっている。
2月末の講演では、2％物価目標の実現が見通せる状況になってきたとし、強力な金融緩和からの出口対応に向けた検討が必要と発言。