金融市場に吹き荒れた嵐、マルチ戦略ファンドではチーム閉鎖の犠牲も

金融市場が混乱した8月上旬、損失が膨らんだヘッジファンド業界では、一部のトレーダーがそろそろ潮時だと上司に告げられる恐怖の瞬間を迎えていた。
6.4兆ドル吹き飛んだ世界株安、「大規模巻き戻しの序章か(1)　　ブルークレストで日本国債取引を専門とするシニアポートフォリオマネジャー、村山知我氏は損失を出した後に退職。」
指数リバランシング戦略を担当していたアジアの同僚、シャオ・イン、ザカリー・コロネス両氏も同じく同社を去った。
　今回の動きは、マルチ戦略ヘッジファンド運営会社によくある非情なリスク管理の一環だ。
　アーレン・キャピタル・マネジメントのマネジングパートナー、ブルーノ・シュネラー氏は「8月の動向は、とりわけ市場のボラティリティーが高まっている局面で、厳格なリスク制限がいかにトレーダーに影響を及ぼすかを浮き彫りにした」と指摘。
ピボタルパスによると、マルチ戦略ファンドは1998年以降、年率9％のリターンをたたき出している。
　ミレニアムとバリアズニー、ブルークレストの担当者はいずれもコメントを控えた。