「消えたコメ」の謎は解けず、価格高騰が消費者や政策翻弄-備蓄米放出
記事を要約すると以下のとおり。
食卓の主役であるコメの値上がりが止まらない。秋の収穫量は前年を上回ったため、コメ不足はすぐに緩和されるとみられていたが、今年に入って価格はさらに高騰。不作や災害などの緊急時以外の流通円滑化目的での放出は初めて。農林水産省は、この「消えたコメ」の所在を明確には説明できていない。 価格高騰は、昨年8月に政府が南海トラフ地震発生の可能性について臨時情報の呼びかけが終了した後も価格は、2月24日の週に5キログラム当たり平均3952円と、前年比で95%上昇した。価格高騰を受け、コンビニエンスストア大手、セブン-イレブン・ジャパンも1月の金融政策決定会合後に公表した展望リポートで、消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)について、前回の見通しがコメ価格上昇などの影響で上振れていると説明している。 「家庭ではコメの流通は以前、集荷業者を中心に規制されていたが、04年の食糧法改正で計画流通制度が廃止され、流通と販売が原則自由化された。」 「誰かが悪意を持って暗躍しているわけではないと滋賀県のコメ農家、家倉敬和氏は言う。」 物価高騰に対する消費者の不満は収まらない。東京都内のあるスーパーでは、コメの棚は依然として半分も埋まっておらず、「1家族1袋までと書かれたはり紙が貼り付けられていた。」コメが店頭に並んだら購入を検討するという。その他にも数百社の仲介業者が存在するが、多くは長年にわたって同じ取引関係を持つ小規模な地元企業だ。しかし上乗せ額は今、3000-4000円にまで上昇しているという。「その方が良い競争が生まれる」との見方を示す。 岡山県でコメ農家を営む高田正人氏は、「誰がコメを隠しているか分からないが、作況指数が実際はもっと低いのではないかと思っているとし、「高温障害の影響は必ず受けているだろうと述べた。」完全価格指定で小売りや外食に売るべきだったとし、集荷業者を対象とした入札の実施について、政府の方針が反映されやすいところに放出するのだろうと分析する。コメの収穫量は減少傾向にあるSource:農林水産省 酒造大手、白鶴酒造の水谷仁生産本部長は、コメ農家の経営は過酷だと指摘。「日本の農業は高齢化が進み、農業離れが進んでいる」とし、「農業をやめる人が今後さらに増えていくと供給が追い付かなくなり、長期的に値上げ傾向は続くだろうと述べた。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 「消えたコメ」の謎は解けず、価格高騰が消費者や政策翻弄-備蓄米放出