KKRとベインによる異例のTOB合戦、国内PE市場巡る競争激化へ
記事を要約すると以下のとおり。
米系投資ファンドのKKRが8月、独立系ソフトウエア開発会社の
富士ソフトに対して、株式公開買い付け(TOB)を実施すると
発表した際、日本の買収市場における一案件に過ぎないと思われた。 「日本のPE業界で多くの動きを見てきたが、このような性質の資産を巡って大手ファンド同士が競ったケースは記憶にない」。 しかし、富士ソフトの取締役会と大株主だったヘッジファンドへの支持をアピールし、ベインは富士ソフトを巡っては、KKRとベインの両社が買収を正当化するための積極的なキャンペーンを展開。買収総額は当初見込んだ約5600億円から約6400億円へと膨らむ。ブルームバーグ・データによると、今年発表されたPEファンドが日本企業を対象とした案件に重点的に取り組む国内投資ファンド、日本産業推進機構(NSSK)の津坂純社長は「日本では欧米式のやり方はできないという考え方が今や通用しなくなっていることを示している」と指摘。「今後こうした案件がさらに増えるだろう」との見方を示す。 円安と長く続く低金利も日本企業に対する魅力を高めており、KKRや米ブラックストーン・グループのトップは最近、日本での事業拡大に意欲を示している。事情に詳しい関係者によると、富士ソフトの価値は、人材と不動産を多く保有している点にもある。また、投資家らによると、富士ソフトにはもっと価値があり、経営陣は何か手を打つべきだと主張するヘッジファンドが仕掛けたものであり、それが実際の取引につながったと指摘。「5ー10年前であれば、このようなことは決して起こらなかっただろう」と述べた。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース KKRとベインによる異例のTOB合戦、国内PE市場巡る競争激化へ