増えるハリケーンの「急発達」、何が起きているのか－QuickTake

ハリケーンは多くの場合、広大な海上を移動する間に徐々に勢力を強めていくが、最近では、驚くべき速さで熱帯性暴風雨から勢力を強めるものが増えつつある。
「急発達」はどの程度一般的か？　　米海洋大気庁（ＮＯＡＡ）によると、専門的な定義上、ハリケーンの風速が24時間以内に時速35マイル以上増した場合を急発達と呼ぶ。
2023年のハリケーン「オーティス」は、メキシコ太平洋岸のアカプルコに接近した際に急速に勢力を強め、まずキューバ、次にフロリダを襲い、150人余りの死者と1120億ドル（現行レートで約16兆6500億円）の被害をもたらした。
ミルトンの風速は時速180マイルに達し、その時点で2024年中で世界最強のハリケーンとなった。
　20年にハリケーン「ローラ」がカテゴリー1から4へと24時間弱でカテゴリー4まで成長した巨大ハリケーンにより沈没し、乗組員33人全員が死亡するという悲劇も起きた。
変化の原因は何か？　　ハリケーンがこれほど急速に勢力を強めている理由は、周知の事実だ。
海面温度の上昇は、風速を強めることもある。
　米東海岸のハリケーンの温床となっているカリブ海とアフリカの間の大西洋で観測史上最も早い時期にカテゴリー5（最大風速時速157マイル以上）に発達した。
ただ、嵐の力学をより深く理解し、一層正確な予報を行うことで、今までよりもタイムリーな警告を発することはできる。