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企業買収の落とし穴「EBITDA」-会計の錬金術が悲惨な結末招く

記事を要約すると以下のとおり。

ウォール街で由緒あるプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社が、ある企業の売却を望んだ。
 悪夢が現実となったかのような今回の事件は今、刑事捜査と責任のなすり付け合いの渦中にある。
発端  PE投資会社のリンゼイ・ゴールドバーグが2019年に投資会社B&C側のアドバイザーはモルガン・スタンレーとマッキンゼーが務めた。
 シュアは売却された後、ほぼ即座に崩壊したが、売り手側は何も間違ったことはしていないと主張している。
 その際には、売却される企業の収益性の算定を誰が行うかによって結果が異なることを示した。
 買い手候補はシュアの諮問委員会メンバーだったマイケル・ディーズ氏によって退けられた。
 ディーズ氏は昨年12月の宣誓証言で、単なる見解の相違だったと述べている。
暗転  JPモルガンは、経営陣による浪費や報告された利益を水増しする工夫が施された会計処理の証拠を見つけたと債権者宛ての書簡で訴えた。
銀行が与信枠を凍結したため、B&Cはアポロ・グローバル・マネジメントが率いる債権者グループにシュアの経営権を譲渡せざるを得なくなった。
 この経緯は、当事者がやり取りした社内メールや電子メッセージ、裁判での宣誓証言、その他の記録から明らかになった。
EY(アーンスト・アンド・ヤング)は買い手のデューデリジェンスを支援した。
また、迅速な新規株式公開(IPO)による大きな利益を見込んで、シュアの市場価格を上回る評価額を提示したと主張した。
 ゴールドマンの広報担当者は「シュアの財務アドバイザーを務めていた際には適切に対応しており、不正行為については認識していなかった」としている。
 PwCは守秘義務を理由に取材に応じなかった。
約3億ドル(約450億円)のPE投資は1年足らずでゼロになった。
本業とは見なされない特定の費用を除外することで、買い手企業や銀行、監査法人、貸し手、経営幹部が事業の真の価値を評価するのに役立つ。
B&Cによるシュア買収では、報告されたEBITDAで同社が資本支出として除外した費用が焦点となった。
WarrenBuffettウォーレン・バフェット氏は、自身の投資・保険会社バークシャー・ハサウェイの株主に、そのような数値を当てにするのは危険だと警告した。
同氏は最近、再びこの問題に言及し、EBITDAを「欠陥のあるウォール街の人気指標」と呼んだ。
不信感が浮き彫りになる。
SomePotentialBiddersWereSkepticalSource:UScourtfilingsNote:Commentsshownareexcerptsfromexhibit,withemphasisadded.  シュアの元幹部は昨年12月、EBITDAの数値と関連する資本的支出の間に大きな隔たりがあったため、売却プロセスは失敗に終わったとオーストリアの捜査官に語った。
 裁判所への提出書類によれば、シュアの幹部は売却契約締結前に収益について活発に議論していた。
EBITDAと実際の損失の差は、「特定の費用の資産計上が主な原因だとB&Cに伝えた。」
 シュアの会計処理が実際に違法の域に達していたかどうかは別として、この件は財務実績をぼかしたり、強化したりしようとする場合に会計ルールが柔軟に利用できることを示す一例だ。
 「全てを検証した上で、一体どうして監査法人はどんな質問をしたのだろうか」。

[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 企業買収の落とし穴「EBITDA」-会計の錬金術が悲惨な結末招く

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