ドル弱気派拡大、トランプ関税の不確実性懸念－米景気損なう恐れ

トランプ米大統領の関税の威嚇でドルは先週、再び上昇したが、米景気減速の兆しや貿易戦争によるドル先安観を背景にドル下落を見込む投資家が勢いを増している。
輸入関税でインフレが再燃し、金利高止まりがドルを支えた米経済の「例外的強さ」のオーラも薄れつつあり、トランプ大統領の内政および外交政策に投資家は思いを巡らせている。
　ソシエテ・ジェネラルの為替戦略責任者、キット・ジャックス氏は「ドルは既に明らかに高く、トランプ氏がさらに大きく上昇させることはできないと思う。」
　先週は、今の環境下でドルのショート（売り持ち）ポジションを持つ危険性が浮き彫りになった。
　28日にはドルはさらに上昇した。
欧州の指導者らは防衛費増額と米国が仲介する可能性のある停戦後のウクライナの安全保障について協議。
　ジュネーブのタルガ5アドバイザーズのマネジングパートナー、イーライ・ミズラヒ氏は「ウクライナにとって強固で持続可能な安全保障の枠組みは、欧州の経済回復力と長期的な安定性を支えるのに役立つ」と述べた。
一般的に言えば、関税は輸入品の価格を押し上げ需要を減退させるため、それらを買うために必要な通貨のニーズも減る可能性があるからだ。
こうした背景から、ドル弱気派は自らの方向性が正しいと確信している。
　同ファンドは選挙後に高まった米経済成長への熱狂が薄れつつあるとして、英ポンドやメキシコ・ペソなどの通貨に対してドルショートのポジションをとっているという。