【コラム】FRBが慎重姿勢を崩さない4つの理由-ダドリー
記事を要約すると以下のとおり。
現在の市場価格は、米連邦準備制度理事会(FRB)が6月中旬の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で短期金利の引き下げを開始し、年末までにフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げ1%とすることを織り込んでいる。 FRBが利下げに慎重である理由は、次の4点に集約される。 さらに、関税の引き上げを見越して家計や企業が購入を前倒しすることで、短期的に成長が押し上げられる可能性がある。輸入物価の上昇により、製造業はサプライチェーンの再構築を迫られ、短期的に非効率が生じる。国境での拘束件数の急減は、移民流入の実質的な停止を示唆しており、高水準の強制送還も生産性に悪影響を及ぼす。今四半期には実質GDP成長が急低下すると予想されているが、失業率は4.2%を5年連続で上回る見通しの中、インフレ期待のアンカリング維持 インフレ率がFRBの目標である2%と昨年夏とほぼ同水準にとどまっている。 ミシガン大学の調査やインフレ連動債(TIPS)に基づく期待インフレ率は安定しており、全体としてはまだコントロール可能な状況にある。もしFRBが利下げに動き、それが政権の圧力に屈したと市場に不安をもたらす。年内のFRB行動見通し FRBの動きは市場の予想よりも鈍くなる可能性が高い。注目すべき指標は雇用者数ではなく「失業率」であり、これが4.5%を上回れば、失業率の上昇は雇用減と解雇増によると考えられるため、より信頼性の高いシグナルになる。 結論として、今年の金融政策は「当面何もしない」か「年後半に大幅な緩和」のいずれかであり、6月からの段階的利下げという見方は楽観的に過ぎる。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 【コラム】FRBが慎重姿勢を崩さない4つの理由-ダドリー