【コラム】パウエル氏、FRB議長として最悪のミス-シュレーガー
記事を要約すると以下のとおり。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、米経済のソフトランディングを導いたとしても、歴史上最も偉大なセントラルバンカーとして名を残すには値しないだろう。パウエル氏が手腕と運をそれぞれどの程度持ち合わせていたかについては、エコノミストが今後何年も議論していくことになるだろう。政策金利をゼロに引き下げたほか、量的緩和(QE)を再開して期間が長めの米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の保有拡大に動いた。 20年の夏、多くの企業が事業を閉鎖したものの、住宅市場と住宅ローン市場は機能しているように見受けられた。インフレが本格化してから1年がたち、住宅市場が活性化したと指摘。金融当局がMBSを直接購入しただけでなく、当局の行動により銀行が購入するMBSは市場全体の約4分の1に達していた。 銀行と金融当局がMBS市場のおよそ半分を保有したことから、他の投資家は売り手となった。WillMortgageRatesEverBeasLowasTheyWerein2020?Duringandafterthepandemic,theFed’spurchasesofmortgage-backedsecuritieshelpeddrive30-yearratestohistoriclowsSource:USFederalReserve そして21年になると、インフレが復活。つまりそれは在庫減少を意味し、買い手には住宅ローン金利の上昇に加えて、価格上昇という向かい風が吹く。 金融政策の策定は特に極端な状況下では困難であり、パンデミックは前例のない緊急事態だった。 当時でも一部の専門家が批判していたように、MBSの大量購入継続はバブルを生み出すリスクがあったほか、住宅市場をゆがめていた。だが住宅市場が正常に戻るには何年もかかる。そうなれば一部金融当局に批判的な向きからは、当局が20年末、または遅くとも21年早期までにMBS購入のテーパリングを開始していれば、こうした事態を回避できていた。 これは重大な政策ミスであり、史上最高のFRB議長に関する議論からパウエル氏が除外されるのはそのためだ。米シンクタンク、マンハッタン・インスティテュートのシニアフェローで、著書には「リスクテイクの経済学」があります。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 【コラム】パウエル氏、FRB議長として最悪のミス-シュレーガー