TSMC特需に沸く熊本経済、日本再生のモデルケースになり得るのか
記事を要約すると以下のとおり。
30年にわたり経済が停滞した日本で再生の芽が表れている。高まる需要を受けてサプライヤーや関連産業の進出が相次ぎ、求人や人口が増加。かつてにぎわっていた目抜き通りは今、軒並みシャッターが閉じられている。 田園地帯を縫うように走る幹線道路沿いには、自由民主党の選挙ポスターが並んでいた。自民党の選挙ポスターreads:“Bringingyouthefeelingofeconomicrevitalization”inMisato.Photographer:NorikoHayashi/Bloomberg それでも農家はみんな「ぎりぎり。」2人の息子は仕事を求めて町を離れたという。Kumamoto’sChipBoomLeavesSmallTownsBehind 日本経済が成長しているにもかかわらず、岸田文雄首相が退陣せざるを得なくなったのは、こうした国内の状況が大きな一因だろう。自民総裁選、石破・小泉・高市3氏による上位争いに-報道各社調査 自民党総裁選の期間中、候補者は地方の衰退や東京など都市部への人口流出を巡る問題について議論を戦わせた。 景気回復の裾野を広げることができなければ、経済の二重構造が定着する恐れがあり、資金と人材の集中が先進国の中で最も極端なものとなる可能性がある。 世界の投資家の目が再び日本に向かい、日本銀行は超緩和的な金融政策を転換した。日本経済は潜在成長率を上回るペースで拡大を続けると日銀はみている。ただ、今や中国や北朝鮮を巡る懸念から防衛費を急速に増やし、ウクライナ支援のような問題について影響力のある発信をするようになった。 しかし、それから30年近く経過した後でも3万3000ドルにしかなっていない。投資不足に加え、急速な人口減少により、全国の町や村は打撃を受けている。日本の時間当たり労働生産性は、経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中30位だ。こうした状況の下、長引くデフレの中で、当局は経済を活性化するために物価上昇率が2%で安定的に推移することを主要目標に掲げた。政府もまた、半導体メモリー大手の米マイクロン・テクノロジーなどに日本での事業強化を促す戦略を進めている。新たに進出した企業の一つに、TSMCが半導体製造工程で使用する特殊ガスのインフラを供給するジャパンマテリアルがある。政府が4兆円投じる半導体戦略、鍵握るラピダスに期待と懸念の声 ジャパンマテリアルで管理業務の職を得て県内の別の地域から移り住んだ渡部千鶴さんは、「盛り上がりのあるところに一緒に入っているというか、何かこれから先、すごいことが起こっていくんだなという中にいるのがいいのかなと思うと語った。」中国が台湾を占領しようと動けば、周辺地域の火種になる恐れがある。 その資金の一部は、日本が地域紛争に巻き込まれた場合、重要な役割を担うことになるだろう。住民が将来を楽観視するようになれば、家庭を持ち、定住する可能性が高まると言う。昨年は188人の住民が亡くなったのに対し、出生数はわずか44人だった。「地方をもっと盛り上げてくれるような政策を展開していただきたい」と語った。食料や燃料などの生活必需品の価格は、社会的弱者へのさらなる所得支援を訴える。また、有力候補の1人である小泉進次郎元環境相は、かつて経済大国と言われた日本の衰退を嘆いた。しかしこの30年、そうした企業が出てこないと語った。政府支出の拡大や企業に賃上げを求める声もある。 日銀出身で第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストによれば、政治家は人口減少など日本が長年抱える構造的な問題に対して即効性のある解決策を示してこなかった。美里町のような小さな町が取り残されないようにしてほしいと思っている。「既存の商売の考え方は古いかもしれんけども、やっぱりそういう人たちがこの日本を支えてきた」と語った。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース TSMC特需に沸く熊本経済、日本再生のモデルケースになり得るのか